看護師は、人とのやりとりが中心の仕事といっても過言ではありません。患者やそのご家族、医師や同僚など、あらゆる人と関わり、その間で橋渡しをしなければならない機会が多くなります。そんな中、時には理不尽な要求やクレームに直面することもあるでしょう。
そのような場面においても、看護師という立場上、冷静さを保たなければなりません。つまり、感情をコントロールするスキルが求められるということです。感情的になってしまえば、適切な判断や行動ができなくなり、周囲からの信用も失い、患者へのケアの質を低下させてしまいます。適切な対応をするためにも、感情コントロールの基本を知ることが大切です。
感情コントロールのスキルを身につけるためには、まず、自身の感情を客観的に見つめることが大切です。自分がどのような時に、どのような感情を抱くのかを把握することで、感情の波をコントロールしやすくなります。例えば、「患者から理不尽なクレームを受けると、怒りを感じてしまう」という自分の傾向を把握していれば、実際にそのような場面に遭遇した時にも、冷静さを保ちやすくなります。
また、アンガーマネジメントを習得することも有効です。アンガーマネジメントとは、怒りの感情をコントロールするための手法のことです。これは元々、罪を犯した人たちを更生する手法として用いられていたものといわれています。さまざまな感情の波が渦まく職場においても役立つということで、研修として取り入れる企業は少なくありません。感情を適切に処理し、怒りに振り回されない自分になりたいなら、ぜひアンガーマネジメントを学んでみてください。